空手の歴史5 -新渡戸稲造と武士道-

日本人の本質を「武士」に求めた新渡戸稲造

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彼は「武士」の時代が終わり、明治という新しい民衆の時代になり、札幌農学校生の時キリスト教に入信した。1884年、新渡戸はアメリカに渡り敬虔なキリスト教徒として活動する内にメリー・エルキントン夫人と出会い、アメリカ社会に溶け込んでいく。 当時としてはまだめずらしい日本人の彼が受ける質問はまず、「日本人とはどんな民族か」というものだったという。その問いに対して彼は、日本人の本質を「武士」に求め、あの有名な『武士道』を書きあげた。

すでに日本、アメリカ両国に精通していた彼の著書『武士道』には、表現の難しい「武士」の生き様や誇り、忠誠心・日本人社会におけるその存在理由などが解りやすく書かれている。これは特に欧米人にとって最も分かりやすい「日本人論」とも言える本として大好評を受け現在に至っている。

この本の中でずばり「武士道」とは何かを、新渡戸は『武士道とは、欧米で言う騎士道と同一である』という言葉で説明している。 この一言で西洋の人々は日本の「武士」と「武士道」の概念をほとんどイメージ出来たのではないだろうか。その「武士道」を極め、貫き通して生き抜く為の心身の修錬の方法として、武道としての「剣道」が重要な存在となった。

 

 

参考資料
− 「沖縄空手古武道事典」(柏書房)
− 「武士道」(新渡戸稲造 著)
− 「日本の戦後史」
参考サイト